みなさんこんにちわ
これからの時期ムシの同定依頼を受ける機会が多いです。その中でクロアリの有翅を見かけ、シロアリの有翅ではないか?とのお問い合わせがあります。その固体を見かけた時期・容姿のポイントを見れば簡単に見分ける事ができます。
まずは作成しました画像をご覧ください ↓
こうして見比べますと全く違う種類だと判りますね。シロアリとアリは巨大な群れを作る社会性昆虫である点は類似していますが、分類的には全く違った昆虫です。アリはハチ目(膜翅目)に属しており完全変態(=蛹の過程をする事)を行います。その為幼虫はウジのような形態をしています。社会の仕組みでもアリは雌が中心で女王と不妊の雌である働きアリで構成され、雄アリは一時的にしか生じません。
一方シロアリはシロアリ目(等翅目)に属し不完全変態(=蛹の過程をしない事)です。その為幼虫と成虫はほぼ同じ容姿をしています。又生殖虫(女王・王)・兵アリ(兵隊アリ)・職蟻(働きアリ)それぞれの階級に雌雄が含まれています。
先程ご紹介したようにアリはハチ目に属する昆虫です。日本では一般には「針がない」と思われていますが系統的には針を持つ種類が圧倒的に多いですね。刺すほど強い針を持たないアリの多くは毒液を敵や獲物に飛ばして攻撃します。針を持つ種類はハチと同じく針を使って毒液を注入するようです。又針で刺して攻撃するアリの毒はハチと同様の成分で生理活性物質の混合物だと言われています。そうした熱帯性の大型種に刺されるとスズメバチに刺される同等の激しい症状を起こす場合があります・・・ハチとアリが近縁な関係の理由が納得できますね。
本日も最後まで読んで頂き本当に有難うございました。